季節 |
作業暦 |
通常の農法 |
生命あふれる田んぼのお米
自然環境共生米の農法 |
秋
・冬
・翌春 |
耕起 |
10月の秋起し、2月の寒起し、4月の春起しと、田んぼは耕すほど良くなると考えられているので、何度も耕す
窒素効率をあげるためと草が生えにくいといわれるためだが、30pくらいの深さで耕すため草の種が地中にもぐり、かえって草は生える
田んぼの表面の有機質分を地中に埋めると気温が上がった時期、嫌気性腐敗をして二酸化炭素が出て、稲の根を傷める。 |
田んぼは春まで耕されることはなく、自然のリズムに従い、ゆっくりと春の訪れを待つ
前年の稲ワラ、稲株やその他の動植物の遺骸は、田んぼに年々蓄積されていく
除草効果と田植えの省力化のため、耕す代わりに田んぼの表面を5pくらい削ります。
水源の源流から取水口まで化学工場等はなく、水にも有害物質が含まれていないことまでも検査で確認済みです。そこまでこだわって栽培されています。 |
元肥 |
春になってから化学肥料を投入 |
田んぼに棲むさまざまな微生物が元気になるように、有機質肥料とミネラルを田んぼにまく |
種モミの
病害虫
防除 |
薬剤によって種モミの消毒が行われる
30年程前は有機水銀、20年程前は有機リン剤が使用されていた
現在は毒性の弱い薬剤を使用している |
いもち病とバカ苗病の予防のため60℃、5分間の温湯消毒 |
種モミの吸水 |
発芽に必要な水分を吸収するだけの時間、水に浸す
(20℃で5〜7日間) |
ゆっくりと低温の水に浸すことによって、吸水だけではなく、発芽を抑える物質を種モミから溶け出させる
(5℃で20日間以上) |
催芽 |
30〜32℃という高温条件でないと、発芽が揃わない
(芽は一気に出るが、種モミ養分を消耗) |
20〜25℃の比較的低温条件で長時間かけてジックリと催芽
(種モミ養分の消耗が少ない) |
播種 |
種モミは180〜200gで、ばらまきされる
(播種量が多いので、生長すると苗どうしが混み合い、十分な日光を浴びられない) |
種モミは70〜120g、通常の約3分の1の薄まきで、すじ状に播かれる。
(苗は生長しても混み合わないので、十分な日光を浴びられる) |
育苗 |
30〜32℃という高温条件で管理されるため、苗は急激に生長するが、茎や葉は細く、軟弱な姿になり、病気にもかかりやすい。まるで現代っ子か?!
種モミ養分の消耗が早いので、苗は栄養失調
育苗日数は約20日
(2.5葉の稚苗植え) |
20〜25℃の低温条件で管理されるため、苗は生長せず、茎も太く育つ
育苗後半はプール育苗に移行し(水苗・昔の苗代育苗と同じ)、水の中で田んぼに植えられるための体作りを行うことで根が太く、根量も多くなる
育苗日数は通常の2倍の約40日
(4.5〜5.5葉の成苗植え)
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代かき |
たんぼは丁寧に代かきされ、水面は鏡のよう |
基本的に行わない |
5月〜夏の盛り |
田植え |
苗は稚苗、5〜10本が1株として、高い密度で植えられる
初期生育を促すために、化学肥料を大量に投入
稲は急激に生長するが根は深くはらない
田植え後しばらくすると、除草剤がまかれる |
表面だけを雑草を倒す目的で浅く耕す(5〜7cm)
雑草や稲株、稲ワラが散乱した田んぼに水を張り、植え付ける
葉や茎のしっかりした成苗を2〜3本を1株として植える
植え付けられた稲は初期成育は緩やかだが、硬い土壌の中に根を張ろうとする |
水管理 |
水温が上昇してくると、耕したときに土中深くすきこんだワラや稲株が、中で腐敗しメタンガスや硫化水素を発生させるので、根が痛んでしまう
根腐れを防ぐために強い中干しを行う
環境の変化が激しいので、田んぼには生物は棲みにくい |
田植えから刈り取り直前まで、常時水をたたえて深水管理
深水管理により、水温は安定、雑草も生えてこない
耕さず稲ワラや稲株を深く土中にすきこまないため、メタンガスや硫化水素などの発生は少なく根は痛まない
前年の根の孔が酸素の通り道となり、根は最後まで生き続ける
田んぼの環境が安定しているため、生命が豊か |
稲の生長 |
密度が高く化学肥料を投入されるため、穂のつかない細い分けつ茎(無効茎)がたくさんでてくる
7月になると過繁殖状態となり、葉どうしが混み合い、日光が届かず、茎は細くなり、株元が暗くなって、病害虫の温床となる
水温がさらに上昇し土中のガスがわくため、根腐れを起こし、養分が稲全体に十分に行き渡らない |
はじめのうち生育はゆるやかで分けつ茎は少ない
植付け本数が少ないため、空間が多い。
風通しが良く、すべての茎が十分な日光を浴びることができ、茎は太く生長、過繁殖を起こらず、無効茎も出にくい健康な稲が育ってくる
水温が安定しているため根に酸素が供給されやすく、根腐れもなく養分が稲全体に十分に行き渡る
病気にもなりにくい丈夫な稲ができる |
たんぼの生き物 |
田んぼには稲以外の植物があってはならないので、除草剤がまかれる
病害虫の防除は、防除暦にしたがい散布されるため、昔から田んぼに生息していたさまざまないのち、生き物は効率的な栽培には、邪魔な存在となる
このように生物層が貧弱な田んぼは病害虫が発生してしまうと、天敵もいないため大発生につながり、これはまた、さらなる農薬の使用の原因になる
田尻町とその周辺地域では農薬(殺虫剤や殺菌剤、除草剤)の使用量をなるべく少なくし、空中散布もしていない
は化学肥料は、肥料を1粒1粒コーティングしている酸による生き物への影響が大きい
農薬はいわゆる合成界面活性剤の役目も果たすため、水が見た目はきれいにすみます |
入水後、最初に大発生するのがミジンコ
夏になると動植物プランクトンをはじめ、害虫のウンカやそれを食べるクモ、ヤゴ、ハチ、カエルなどの益虫、その他トビムシやユスリカ、タイコウチ、タニシ、ドジョウなどのさまざまな生物が発生し、それを目指して鳥類も飛来する
このように害虫から益虫、ただの虫から鳥類までが食物連鎖を築き、安定した環境作りに貢献している
5月20日以降に田植えをするとヒエが出ない
「サヤミドロ」という藻がたくさん発生し、これも肥料になります。他にも完全に発酵した有機肥料を使用し、遺伝子組み換えや抗生物質などの有害物質とは無縁です。
藻からは多量の酸素が出されます。水質浄化作用もあります。
【サヤミドロ】
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秋 |
収穫 |
収量は茎数を多くすることによって、確保するが無効茎は多い
根腐れのせいで倒れたり穂が落ちたりしやすく、米粒の生育は良くないため小さい
1本の茎に50〜120粒くらいの籾がつき、バラツキがある |
根が最後まで元気なため、倒れたり穂が落ちたりせず、米粒が完熟する
稲の切り株やワラ、藻などは田んぼに残され次の稲の栄養となる
1本の茎に100粒くらいの籾がつきバラツキが少ない
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結果 |
農薬や化学肥料を前提にしており、いのちにとっても、稲にとっても閉鎖された空間のため健康ではない |
田んぼの中にいのちがあふれるだけでなく、稲自体もいのちにあふれた健康でおいしいものとなる |